姫路城東小天守
ひめじじょうひがしこてんしゅ
概要
姫路城 八棟
姫路城は城郭建築最盛期の代表的な遺構で、意匠的に最も発達したものである。池田氏が完成したもので、大天守は慶長十三年(一六〇八)から翌年にかけて建てられたことが墨書からわかる。天守のほかに本丸、二ノ丸、三ノ丸などに分かれており、山上に拠った広い地域に櫓、渡櫓、櫓門、土塀を配置し、いわゆる平山城を成している。天守の一郭は、五重六階の大天守が西、乾、東の小天守をしたがえて立つ複合天守の形態をしており、建物の高低、様々な屋根の形態は変化の極致をつくしている。わが国城郭建築の最盛期を代表する最も優秀な城郭であるばかりでなく、最も完全に遺存している城郭として貴重な遺構である。現在、姫路城郭のうち重要文化財に指定されている建物は、諸櫓、門、土塀など全部で八十二棟ある。
【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)