御深井釉向付
おふけゆうむこうづけ
概要
羽状複葉の葉形の向付である。型打ちによる成形で、薄手に仕上げている。粘土紐の葉柄と底部に円錐状の三足を付け、全面に御深井釉を施している。焼成は良好で、淡い黄緑色を呈し、見込みや外面底部には釉溜りがみられる。三足付近に円錐ビン痕が残るが、見込みには重ね焼きの痕跡はない。釉溜りが美しい秀作である。このように繊細かつ造形に富んだ御深井軸製品は、織部衰退期の寛永年間(1624~44)頃に生産されたと考えられる。
所蔵館のウェブサイトで見る
土岐市美濃陶磁歴史館