環状注口土器
かんじょうちゅうこうどき
概要
後期の縄文土器、容器の主体部を水平な環状(ドーナツ形)に作り、その一端にロート状の注入大口を設け、これと対称の位置に小さな注出口を付けた痕跡がある。環状の下に低い台脚(高さ1㎝)が付く。注出口は、早く欠失したらしい。注入大口は、四つの突角を備えていたが、今はその二つが破損している。高さは、注入大口の最高部突端で15㎝。江戸時代に岩手県一ノ戸で出土したものだが、明治時代に当地の犬塚、羽柴、松森氏などの愛好研究家の手を転々とし、現所有者のものとなった。ユニークで洗練された形と流麗な文様、精巧な作りで、類例が少ない土器である。
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公益財団法人致道博物館