木造十一面観世音菩薩立像
もくぞうじゅういちめんかんぜおんぼさつりつぞう
概要
木造十一面観世音菩薩立像
もくぞうじゅういちめんかんぜおんぼさつりつぞう
岡山県
室町時代/1524
頭部は垂髻で、上下二段に化仏を配置する。頭上の化仏は、11面あったとみられるが、彫り出しになっている仏面の他、別材の菩薩面3面と瞋怒面1面のみが残る。表情は半眼、閉口。体部は三道を刻出し、胸に墨書で種子キャを表す。右手は垂下して数珠を載せ、左手に水瓶を持つが、左右肘から先は後補である。両足を揃えて蓮華座の上に立つ。耳璫や瓔珞、臂釧や胸飾等はみられない。光背は背中に直接取り付けてあったようであるが今は残っていない。
本像はヒノキ材の一木割矧造。頭上の仏面から足元まで、一材を前後2つに割って彫成し、左右肩、肘、両手首、つま先を矧いでいる。頭部のみに内刳りを施し、内部に390体の鉄製観喜天を収め、別材で蓋をする。彫眼で像表面は素地。仏面以外の頭上仏、水瓶、台座は別材で、水瓶は内刳を施し、2材で彫成している。
総高:248㎝ 像高218㎝
一軀
備前市吉永町加賀美1210
備前市指定
指定年月日:20200824
照鏡山八塔寺
代表 森廣賢生
有形文化財(美術工芸品)
美作市の長福寺、岡山市東区の西大寺の観音像と一本の同じ木から作られているという檀家からの談あり。