洛中洛外図屏風
らくちゅうらくがいずびょうぶ
概要
京都の洛中(市街)と洛外(郊外)の街並みを細やかに描き出す。洛中洛外図は、室町時代の後期から江戸時代にかけて盛んに制作され、現在も約百七十件の作品が伝わっている。本図は、右隻に豊臣秀吉が発願した方広寺(ほうこうじ)を、左隻に徳川家康が造営した二条城(にじょうじょう)を配して、京の景観を東西に分けて表わす。画面は通常の屏風よりも一回り小さいものの、商店の暖簾(のれん)には家紋が詳しく表わされるなど描写は非常に丁寧である。登場する建物の特徴から、およそ寛永年間(一六二四~四五)の京都の景観を描いたものと考えられる。