「腹案乱雑記」
「ふくあんらんざつき」
概要
「腹案乱雑記」
「ふくあんらんざつき」
27×21(cm)
千代田区隼町4-1 国立劇場
登録番号13573
曾我廼家五郎旧蔵資料
解説:日比野啓(成蹊大学文学部教授)
独立行政法人日本芸術文化振興会
表表紙には黒の背景に赤字で「昭和十五年七月京都」「皇紀二千六百年記念改調」「腹案乱雑記」とあり、背表紙には金箔押しで『一堺漁人作脚本台帳4 曾我廼家五郎蔵書』とある。上演作品の腹案(アイデア)が複数収録されている。腹案なので、上演記録の残っていない作品も含まれる。211〜222頁には「終戦後上演可能性狂言」が、昭和21年(1946)2月3日調査の結果として挙げられている。占領期にGHQの傘下機関である民間検閲局(CCD)は演劇台本の検閲も行った。日本の軍国主義・国家主義や、封建思想の宣伝になる作品は上演を禁じられたが、五郎は検閲される前に上演禁止になりそうな作品を自ら外していたようだ。