薩南諸島の黒糖製造技術
さつなんしょとうのこくとうせいぞうぎじゅつ
概要
本件は、種子島から与論島に至る鹿児島県の島々に伝承される黒糖の製造技術であ
る。鹿児島県から沖縄県にかけての南西諸島は、黒糖の生産地として知られ、なかでも南西諸島の北半分にあたる薩南諸島では、黒糖の伝統的な製造技術を伝えている。
黒糖の製造は、サトウキビを原材料とし、砂糖小屋と呼ばれる共同作業場で、11月から3月にかけて行われる。サトウキビは手作業で刈り取った後、圧搾して砂糖汁を搾り出す。砂糖汁は釜に移した後、登り窯で薪を焚いて煮詰める。灰汁を取り除き、石灰を加えてさらに煮詰めていく。飴色の粘りが出たところで容器に移し、手早く掻き混ぜながら固まり具合を調整する。最後に、温かいうちに作業台に広げて板状に伸ばし、固まった後、一ロ大に切り分けるなどして完成となる。