水差し
みずさし
概要
水差し
みずさし
15×2(cm)〈1本〉
千代田区隼町4-1 国立劇場
登録番号6102
曾我廼家五郎旧蔵資料
解説:日比野啓(成蹊大学文学部教授)
独立行政法人日本芸術文化振興会
ガラスの小瓶にカニや海草、色紙等を保存液とともに詰めたもので、真ん中の1本の台紙には科学標本のように「ウミノシタ」「ヘイケカニ」というラベルが貼られている。寄贈時の記録には「水差し」と残るが、海浜観光地の土産物として売られていたものではないか。五郎の甥で、のちに東京で二代目曾我廼家五郎を名乗って、大阪で二代目五郎となった後妻・秀子夫人と対立することになる蝶太郎(本名・荒井勝次郎)は、五郎劇団をやめた後、熱海で隠遁生活をしていた。昭和23年(1948)10月、死の床についていた五郎のもとを訪れた際に、蝶太郎がこの土産物を持ってきたという想像はできなくもない。