帷子 白麻地梅に箙文様
カタビラ シロアサジウメニエビラモンヨウ
概要
裾から立ちあがる梅樹に、矢の携帯具である箙が取り合わされている。友禅染が得意とするぼかしの技法で梅花の大きな色面を彩り、箙には、これも友禅染に特有の細い糸目糊による白い輪郭線と細やかな色挿しによって、麻の葉繋ぎ・網代など細かな割付文様が表される。 梅に箙の組合せは意外に思えるが、『源平盛衰記』生田の森の合戦に取材した、古典文学を典拠とする意匠。梶原源太景季が、咲き匂う梅の一枝を箙に差して戦場におもむいた故事を典拠とする。