日本橋附近の風景
にほんばしふきん ふうけい
概要
二世五姓田芳柳は下総の生まれで、維新後五姓田門下として洋画を学び、明治13年(1880)に養子となって五姓田家を継いだ。各種博覧会に出品し、明治美術会にも参加したが、大正以降は専ら委嘱を受けて、明治時代を回顧した歴史画、風俗画を描いた。
日本橋界隈は古くからの商家が立ち並ぶ地区で、銀座が早く西洋風に改造されたのと対照的に江戸の雰囲気を残していた。本作にも蔵造りの家屋、火の見櫓、看板など前時代以来の景物が多い。この景観も頻発した火災や新しい洋風建築によって次第に変貌した。