太刀 銘 宗依
たち めい むねより
概要
鎬造、中鋒。腰反で反り高く身幅広い。鍛は板目肌立ちごころに地沸つく。刃文は小沸出来の直刃調に小乱刃を交え、砂流し・金筋入る。帽子は先焼詰となる。茎はわずかに磨上げ、先切。鑢目浅い筋違。目釘孔2つ開く。また、拵は毛抜形太刀拵で、鞘に沢瀉紋をあらわす。備前国は平安時代後期から鎌倉時代にかけて数多くの刀工を輩出したが、そのなかで、鎌倉時代初期までの刀工ならびにその作刀を古備前と総称する。本品の作者である宗依もその一人とみられるが、在銘作が極めて少なく、管見では東京国立博物館所蔵品(F-172)があるのみであり、貴重である。