北浦地方のサバー送り
きたうらちほうのさばーおくり
概要
本件は、山口県の長門市から下関市にかけて広域的に行われる虫送りの行事である。6月下旬から7月上旬に、サバーサマとサネモリサマと呼ばれる2体の藁人形を集落の外に送り出すことで、稲につく害虫を追い払い、無事な生育を祈願する。長門市東深川の飯山八幡宮を起点として、地区から地区へと人形を送り継ぎ、最終的には下関市の豊北町と豊浦町にあたる西部の海岸から海に流される。
サバー送りが行われている地域では、稲作を中心として農業が盛んに営まれてきたが、生業の変化や過疎化によって、藁人形の作り手の高齢化や運び手の減少が進んでいることから、早急な記録の作成を必要とするものである。