南蛮屏風
なんばんびょうぶ
概要
海上に南蛮船を大きく表わし、浜辺に陶磁器や漆器などの交易品を船から積み降ろす場面を配する。その登場人物は全員、足首まである長ズボンをはき異国風に描かれる。このような南蛮屏風は、鉄砲やキリスト教の伝来に始まる日本と西洋の交流をテーマにした美術品として流行し、今日でも約百件ほどの作品が現存する。本図は、構図が長崎歴史文化博物館の所蔵する南蛮屏風の左隻と共通し、当初は一双屏風として制作されたと考えられる。坂本五郎氏が所蔵した絵画のなかでも、文化交流を展示コンセプトとする当館にとって、とくに重要なテーマの作品である。