南蛮人交易図屏風
なんばんじんこうえきずびょうぶ
概要
長崎でのオランダ貿易をイメージしたものか、左隻には日本人・西欧人・中国人・韃靼人の交易と商家、右隻には海岸で布を風に晒す様子や、日本人と異国人との輪舞が描かれており、交易の活気に満ちています。
不揃いな紙継ぎは、本図が完成作でなく粉本であることを示します。両隻外側下部に「探幽筆」の書き込みを削除した痕があり、原本が江戸狩野の総帥・狩野探幽(1602-74)の考案とされていたことがわかります。輪舞の図様は江戸狩野に学んだ英一蝶(1652-1724)とも類似しており、江戸狩野における南蛮屏風の変容を考える上で興味深い作品です。
【南蛮美術】