倣王蒙山水図
ホウオウモウサンスイズ
概要
款記に「庚辰杪冬望東成謝長庚酔中偶●得王叔明」とあり、本図が王蒙の画法を模しての制作であったことを知ることができる。また、「酔中」ともあって、これが酔余の席画であることが示唆されている。事実、本図を仔細に観察すると墨が下に流れているのが認められ、屏風画を描く普通の方法をとらずに、蕪村は屏風を立てたままで一気に筆を走らせていったことがわかる。まことに、当時の京都のサロン的雰囲気をうかがわせる作品といえよう。なお、この屏風は本来「倣米(べい)ふつ山水図」と対をなしていた。