須恵器 提瓶(舞子古墳群出土)
すえき ていへい
概要
垂水区の舞子駅から約1.5㎞北にある舞子丘陵は、北側と西側が早くに宅地化しましたが、まだ多く自然の地形が残っています。現在ここには多くの墓地が点在し、厳かな雰囲気を保つためなのか周囲の松林が伐採されずに残っています。その林の範囲にほぼ重なった状態で古墳群が存在しています。古墳はそのまま現地に残っているものだけでなく、発掘調査後に消滅したものを含めると30基を越えますが、かつてはもっと多くの古墳があったと考えられています。
須恵器の提瓶は、口縁端部すべてと片側の耳の端が欠けています。外面の調整は口縁部が回転ナデ、体部はカキメです。体部片面の中央にはカキメが及んでいません。内面の調整は口縁部が回転ナデです。肩部の把手は形骸化しており、時期は6世紀後半と考えられます。
どの古墳からの出土したのか具体的には判りませんが、1980年頃の宅地造成中に採集されていることから、舞子古墳群西半の東市ヶ坂支群、西市ヶ坂支群、毘沙門支群中にかつて存在し、現在は消滅した古墳から出土した可能性があります。
【名品2019】【古代の神戸】
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神戸市立博物館