絹本着色 仏涅槃図
けんぽんちゃくしょく ぶつねはんず
概要
延命寺に伝わる仏涅槃図は、かつて納めていた木箱の蓋裏に「亀翁山延命禅寺涅槃像之絵普請檀那以功力成就者也 于時正保五秊戌子二月吉日 葉室代求之」の墨書があり、涅槃図制作後間もない時期に、当時の延命寺住職(四世葉室堯奕)によって、延命寺の改修が終了した記念に寺に奉納(または購入)され、長く伝承されてきた。なお、堯奕は明暦2年(1656)に没した延命寺4代住職である。
また、裏面最下部の墨書より、明和5年(1768)に修理され表装し直されていることがわかる。墨書にある「雲程」という名は寛政5年(1793)に没した延命寺12代住職である。
平成28年度に京都の「杉本工芸」工房において表装し直された。このとき、軸木を取り替えた際に、古い木製の軸木に墨書が見つかり制作時期と作者名が判明した。また、同時に掛け軸を収納する木箱も作り直され、古い木箱の墨書部分が再利用された。