東芝自動式電気釜
とうしばじどうしきでんきがま
概要
東芝自動式電気釜
とうしばじどうしきでんきがま
とうきょうしばうらでんきかぶしきがいしゃ
富山県高岡市
昭和30年頃/1955年頃
鉄、アルミニウム、プラスチックなど
高25.3cm×径33.3cm
1台
富山県高岡市古城1-5
資料番号 2-01-02-43
高岡市蔵(高岡市立博物館保管)
東京芝浦電気株式会社(東芝。発明は東芝の協力会社・光伸社)で作られた日本初の自動式電気釜である(1升炊)。自動式電気釜とは、スイッチを入れると自動的に火加減を調節して米を炊いてくれる釜である。主婦の家事労働のかかる時間を大幅に減らし、生活様式にも変化をもたらせた(注1)。
寄贈者の父親が昭和30~33年頃に購入したもので、昭和49年(1974)に実家から寄贈者に譲られたものであるという(寄贈者より聞き取り)。
新品未使用で箱などの付属品も完備している。
資料は全体的に白色で、左右に黒い持ち手が付いている。持ち手はそれぞれ2本のネジで固定されている。正面に黒字で「Toshiba」と印刷されており、正面下部には電源のスイッチがあり、黒いレバーが取り付けられている。資料左側面には、プラグケーブルの挿し込み口がある。蓋の摘み上面には「Toshiba」とプレスがある。資料底面には、「東芝電気釜/自動式/ER-8型1升炊/100V-600W/〒8-1586/意匠登録121606/特許実用新案出願中/Toshiba 東京芝浦電気株式会社」とプレスされている。また、3本の短い脚が取り付けられている。
資料内部には、持ち手が付いているアルミ製の内釜がある。内釜には米を炊く際に4合から10合までの水の適量を示す目盛りがある。
付属品の計量カップはプラスチック製で、赤い目盛が付けられており、下から赤字で「2・4・6・8」と印刷されている。底には、「Toshiba」とプレスされている。
プラグケーブルは束ねておくためのシールが巻かれたままになっており未使用品とわかる。シールには、赤字で「Toshiba」と印刷されている。接続端子中央に「マツダ」、その周りに「6A/250V/〒7-2630」とプレスされている。プラグには、「マツダ/10A250V/〒7-2571」とプレスされている。
資料が入っていたダンボール製の共箱には、側面に「Toshiba/東芝電気釜/自動式 ER-8型 1升炊/100V-600W 〒8-1586/東京芝浦電気株式会社」と印刷されている。右下には、「合格/6検TF/東京芝浦電気株式会社」と赤字で印刷された検定印と思われるシールが貼られている。逆側面には、電気釜の絵が印刷されており、右上に「Toshiba」、左下に「ER-8型」と印刷されている。
資料状態は、未使用であるため非常に良好である。
〔注〕
1.自動式電気釜
自動式電気釜とは、タイムスイッチを使って、指定した時間にご飯を炊くことを可能にした釜である。電気釜の出現は、炊飯を単に自動の電気釜に変えただけでなく、主婦の家事労働にかかる時間を大幅に軽減し、生活様式にも大きな変化をもたらした。昭和30年(1955)に発売され、その4年後には日本の全家庭の約半数にまで普及し、総生産台数も1,235万台を記録した。(HP「東芝未来科学館:日本初の自動式電気釜」)