小屋名しょうけ
こやなしょうけ
概要
小屋名しょうけは、高山市久々野町の小屋名地区に伝わる竹細工のざるで、野菜の水切りや米あげなどの台所用品として使われてきた。細かく割ったスズタケを縦横に丹念に編み込んだ美しい編み目に特徴がある。形は、底と胴が一体となった浅い楕円形で、口のある「片口しょうけ」と口のない「丸じょうけ」がある。材料には、スズタケ、マタタビ及びツタウルシが使われ、製作道具には古くなった鎌や鉈(なた)を加工した「ツマキリ」、「タケワリ」又は「タケヒキ」といった専用の道具を使用する。
小屋名しょうけ保存会は、平成八年に十五名で結成され、現在は十六名で伝承活動を行っている。道具の持ち方や材料等の下処理に始まる両手両足の力加減など、言葉だけでなく、身体の小さな動きこそが伝承されるべき本質である。