木造馬頭観音菩薩坐像
もくぞうばとうかんのんぼさつざぞう
概要
信越国境に近い小菅山麓の小菅神社は、千曲川右岸を急登した標高500メートルの高地にあり、川を挟んでほぼ真西の方角に、関田山脈越しにそびえる独立峰・妙高山を望む景勝地にある。明治時代の神仏分離までは、むしろ新義真言宗に属す小菅山元隆寺として知られており、かつては北信濃の三大修験場として十四世紀後半~十六世紀初めに隆盛した。本像は、当山に現存する最古の馬頭観音像であり、元来、馬頭観音像を草創の本尊としたと伝える小菅山の、「加耶吉利堂」本尊と伝えられる像である。