室内
しつない
概要
新制作派協会第4回展(1939)
独立美術協会を離脱し、新制作派協会に初出品した7点の<室内>のうちの1点である。鮮やかな原色が多用された装飾的な表現には、作者の好んだマチスの影響が見られる。画面は大きく3つに分かれ、中央に張り付くように描かれた絨毯の赤と青の細かい模様が、画面の装飾性を高めている。結婚後、子供が生まれ、外に出る機会が少なくなると、室内の愛用品が絵のモチーフとなった。八角形のテーブルは、1930年代後半から40年代前半の室内画に頻繁に出てくるモチーフであり、作者はこれを晩年まで長く愛用した。夫を亡くし、戦禍の足音も近づく暗い世相の中で、身近なものに愛着を寄せ、キャンバスの中に独自の自由な世界を繰り広げていったのである。
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一宮市三岸節子記念美術館