大曲の綱引き
おおまがりのつなひき
概要
大曲の綱引きは、大曲上大町にある諏訪神社の小正月行事として行われ、一匹の蛇の姿をした綱を引き合う。以前は旧暦の1月15日に行われていたが、昭和40年代から新暦の2月15日に行われるようになった。行事を取りしきるのも、以前は町内の地主や商人らであったが、現在は綱引委員会によって行われている。
かつて農家の人々によって作られていた綱は現在、綱組委員会によって作られている。中でも蛇の頭と尾の作り方は秘伝とされ、綱組委員会の組頭と次期組頭候補にのみ継承されている。諏訪神社の宮司によって魂が入れられた頭と尾は、綱引き当日まで神社鳥居に掛けられる。胴体部分となる元綱は予め神社境内で作られ、綱引き当日に頭、尾とが合わせられて、100m以上の長さとなる。
綱引き当日には、綱が諏訪神社から右回りに町内をめぐる「綱御幸(つなみゆき)」が行われる。綱には「ザイフリ棒」と呼ばれる長さ4mほどの杉丸太がつけられる。ザイフリ棒を回すと商売繁盛になると言われているので、綱御幸の途中では棒を回そうとする人々のもみあいが各町内で繰り広げられる。
綱引きは上大町・栄町・上栄町を上丁、大町・中通町・通町を下丁とし、大町交差点を境として、上下両丁で争われる。綱引きに使ったものは、町中の災厄を集めているので、家の中に入れてはいけないという禁忌もある。