胡銅円筒形灯籠
こどうえんとうけいとうろう
概要
古代から西アジアの工芸は、日本を含む周辺の各地域に技術的あるいは文様的に様々な影響を与えてきたことが知られています。現在のイラン東部から中央アジアの広い地域に位置ずるホラーサーンは「日の出づる国」という意味の古地名で、各種の優れた美術品を産し、同時に、社会の変動の度に戦乱の舞台となりました。
この作品は、錫青銅を裏側から打ち出して人物と唐草文を表し、唐草文には透かし彫りを施して、明かり窓としている。蓋と身の中央に配された図像は柱の上であがめられる統治者を表し、その左右に刻まれた銘文は未来の所有者を祝福しています。底部に化粧漆喰が塗られていることから、ランプとして使用していたことが伺えます。この様式のランプは世界的にも稀少な遺品といえます。