イル・サンルイ
いる・さんるい
概要
画面右下に署名:S.MigiSHi
三岸節子素描展(1957)
1954(昭和29)年の初渡欧の際に描かれた作品であり、「現代作家デッサン 三岸節子」(1957年、芸艸社発行)に図版が掲載されており、1957(昭和32)年の「三岸節子素描展」(銀座松屋画廊)に出品されたようである。この素描展には、花や風景、埴輪の作品が出品されたのだが、作者は上記デッサン集に「切っても切れない強靭な線、一本の線の中に血肉をかけて、民族性までも表現できる、そんな強いデッサンを心がけてゆきたいものです。」と記しており、デッサンの重要性と線の捉え方についての強い考えをうかがわせる。どちらの作品も素早いタッチで、奥へと続く地下道の風景とパリの冬木立の街並みを捉え、人物の服や空には明るい色が添えられている。室内の光景や静物を多く描いていた作者であるが、滞仏中は、行く先々で見る風景に感激を覚え、スケッチを重ねた。
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一宮市三岸節子記念美術館