冨嶽三十六景《武州玉川》
ふがくさんじゅうろっけい ぶしゅうたまがわ
概要
玉川は多摩川のこと。調布あたりの風景と思われる。「青山圓座枩」のときもそうであったが、中景の霞雲を隔てて、富士の姿があきらかに大きく描かれているが、北斎にとって霞雲の表現は、富士との時間と空間の超越を意味するものであったようだ。この図では、落款「北斎改為一筆」とあるべきところ「改」の文字が無く「北斎為一筆」となっているのは間違えなのか入れ忘れなのかは定かではない。題字の左上の板木の瑕も、この版を見る一つの手がかりになっている。この版は、藍を主に色数を抑えてあるバージョン。
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