銅鉾
どうほこ
概要
橘町玉江遺跡から発見されたと伝えられているもの。昭和36年、弓野人形に使用する粘土を採掘中に、地表下約80cmの深さにこぶし大の礫敷があり、この銅鉾はその直上から出土したそうである。祭器として埋納されたものと考えられる。
銅鉾は、中央で折れているが、ほぼ完全な形をしている。全長80.4cm、刃部の最大幅5.9cm、重さ1,763g、袋部下端に飾り耳がついている。全体的な仕上げ研磨は丁寧であり、刃部周縁は面取り研磨されてつぶれている。黒味がかった緑色で、銅質はよく、保存状態も良好である。
この銅鉾は、形態から中広形銅鉾に分類され、弥生時代後期の製作と推定される。中広形銅鉾・広形銅鉾などの祭器としては、これまでのところ佐賀平野西端での出土例であり、武器形祭器の波及など、弥生時代の青銅器文化を考える上で貴重な資料である。
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