白磁・青白磁の技法
はくじ・せいはくじのぎほう
概要
白磁は、陶石や磁土を主原料として成形し、その上に長石・石灰等を調合した釉薬をかけて、純白の磁器を焼成する陶芸技法である。素地の調合、ロクロによる素地の成形・仕上げ・施文の後、素焼き、釉掛け、本焼き等の工程を経て制作される。わが国では、17世紀初頭に九州有田で磁器の焼成が始まって以来、格調の高い白磁が各地で焼成され、その伝統技法が現代に伝えられているものである。青白磁は白磁の一種であり、釉薬に含まれる微量の鉄分によって淡い青白色に発色したものをいい、白磁とは密接な技法である。
白磁・青白磁の特徴は、素地は純白、器壁は薄く端正に仕上げられ、釉薬はよく熔けて完全に透明化し、清楚で上品な焼き上がりとなることである。青白磁は、微量に鉄分を含む釉薬が施され、還元焼成によって釉薬は青白色を呈している。白磁・青白磁とも器面には唐草や蓮弁などの流麗な彫文様を施され、とりわけ青白磁には彫文様の釉溜りに生じた濃淡の美しさが見どころとされる。
この技法で最も重要なことは不純物を含まない陶石をはじめとする原材料を確保し不純物を除去することと、釉薬に含まれる鉄分の含有率と焼成であり、青白磁の鉄分含有率は約1%、還元焼成によって淡い青白色の発色を得ている。一方、白磁の釉薬は、青白磁よりも少ない鉄分含有率で、酸化焼成によって象牙色に焼きあがったものが高く評価されている。白磁・青白磁は、工芸史上極めて重要かつ芸術的にも価値の高い伝統的な工芸技法である。