万葉集巻第十二断簡〈(尼崎切)/(大王之)〉
まんようしゅうまきのだいじゅうにだんかん〈(あまがさきぎれ)/(おおきみの)〉
概要
本作品は「尼崎切」と呼ばれる古筆切で、『万葉集』巻第十二の断簡である。伝称筆者は、平安時代後期の歌人の源俊頼(1055~1129)である。料紙には雲母引きした楮紙を用い、書風は軽やかな筆遣いで筆力があり、仮名の連綿は短いながら巧妙である。
『万葉集』の伝本は、古点本・次点本・新点本と分類されているが、「尼崎切」は次点本である。本幅は次点本『万葉集』の史料として国文学上価値が高く、また、書道史上にも評価される作品である。