釈迦多宝二仏並坐像
しゃかたほうにぶつびょうざぞう
概要
『法華経』見宝塔品(けんほうとうぼん)には、釈迦の説法に賛嘆した多宝仏が、多宝塔中の自らの座に釈迦を招き入れ、そこで釈迦が説法を続けたことが記されおり、これを表した彫刻作品は中国・北魏時代に多くみられる。向かって左が多宝仏、右手を挙げて説法するのが釈迦である。台座背面には造像銘が鐫刻(せんこく)されており、それにより太和(たいわ)13年亡き父母の供養のために発願(ほつがん)されたことが知られる。細部にこだわらない力強い作風は太和仏の典型であり、本作はその名品にかぞえられる。
所蔵館のウェブサイトで見る
公益財団法人 根津美術館