絵過去現在因果経
えかこげんざいいんがきょう
概要
絵過去現在因果経
えかこげんざいいんがきょう
「絵因果経」ともよぶ。『過去現在因果経』は、釈迦の前世の物語と、現世における伝記を説いた経典で、本来4巻からなる。ところが「絵過去現在因果経」は、経巻を上下段に分けて、下段に経文(通常1行17文字のところ8文字)を、上段に対応する絵を描いているため、倍の8巻構成となる。「古因果経」と呼ばれる奈良時代の作例が数巻分現存するが、これは「新因果経」と通称されるもので、建長6年(1254)の奥書により、絵師は住吉慶忍とその子聖衆丸と知られる。巻第2下つまり8巻本の4巻目にあたり、出家の部分から始まる。図版は、出家を志した太子時代の釈迦が、夜、白馬に乗って城を出る場面。巻第3下の1巻が、東京・大東急記念文庫に所蔵される。
所蔵館のウェブサイトで見る
公益財団法人 根津美術館