十一面観音立像龕
じゅういちめんかんのんりゅうぞうがん
概要
唐の都長安にあった花塔寺(宝慶寺の名で知られる)に所在した浮彫石仏板群のうちの1面。現存する石仏板の半数に、長安3年(703)あるいは同4年の銘があるが、造像活動はそれ以前より始まっていた。すなわち、本像にみる流麗な衣文線や均整のとれた体軀の表現は、制作が7世紀末にまでさかのぼることを示している。溌剌(はつらつ)として充実した表現は中国・初唐期の仏教彫刻の気風であり、それは当時の日本仏教彫刻の手本となった。
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公益財団法人 根津美術館