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蒙古鉢形眉庇付胄(奈良県五条猫塚古墳出土)

もうこはちがたまびきさしつきかぶと(ならけんごじょうねこづかこふんしゅつど)

概要

蒙古鉢形眉庇付胄(奈良県五条猫塚古墳出土)

もうこはちがたまびきさしつきかぶと(ならけんごじょうねこづかこふんしゅつど)

考古資料 / 奈良県

古墳時代 5世紀

金銅製 鉄製

鉢高22.2 鉢径20.6~18.0

1個

奈良県五條市西河内町猫塚古墳出土

 猫塚古墳は、金剛山の東南麓に位置する向山丘陵とその南の西河内の低い丘陵に挟まれた谷間に立地する。一辺約30メートル、高さ約5メートルの方墳で、竪穴式石室の中から武器武具、鉄製工具、鏡、土製枕、埴輪などが出土している。この冑は3個の金銅装眉庇付冑の中の1個で、上部が細く、中央から下部にかけて広がるのが特徴で、蒙古鉢形冑とよばれる。その構造は頂部には金銅の受鉢があり、管を欠失するが、半球状の金銅製伏鉢に続き、さらに地板第一、金銅製胴巻、地板第二を経て、金銅製腰巻に至る。地板第一と第二は、一般に四方白(しほうじろ)とよばれる形式で、前後面と左右面に各3~4枚の金銅小札を置き、その間に鉄製の小札を各々3枚配し、鋲留する。庇部も金銅製で、外縁は11個の弧形を連ね、内側に絡龍文をM字形に透彫し、点刻で表した細線文や波状文で飾る。
 いわゆる蒙古鉢形冑は、古墳時代の日本では類例が非常に少なく、その形式は中国大陸や韓半島の遺物に共通し、当時の文化的交流を知る上に貴重な資料である。

奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.279, no.8.

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