沢内及び周辺地域の積雪期用具
さわうちおよびしゅうへんちいきのせきせつきようぐ
概要
北上川の支流和賀川の最上流に位置する沢内地域は、奥州と羽州を分ける奥羽山脈に抱かれた地域で、夏季にはヤマセの影響で凶作に悩まされ、長期に及ぶ積雪期には多雪の条件を強いられる自然環境下におかれてきた。
この収集は、沢内及び周辺地域の冬ごもりの準備から、翌春の消雪するまでに繰り広げられてきた生活の用具類を、他地域との比較を考慮しつつ、体系的にまとめたものである。家屋内に営まれる生活の用具類をはじめ、積雪期に展開されてきた種々の生産活動に使用されてきた用具類などが巨細に収集されており、めぐり来る春の訪れを待ちながら営々と生活してきた痕跡を即物的に知る上で貴重なものである。