大山供養田植
だいせんくようたうえ
概要
中国地方の山間部に伝承されている囃子田系統の芸能であるが、広島県比婆郡東城町大字塩原ではいわゆる大山供養と大掛りな田植が一体化しているところに特色がある。大山供養は、定期的に毎年行なわれる春秋の大仙祭とは別に、随時、奇特な施主が主催して、不慮の死にあった牛馬の霊を供養し、現在飼育している牛馬の安全と、五穀豊熟、家内安全を祈念する大規模な祭で、その内容は、田植踊、供養行事、しろかき、太鼓田植、お礼納の五行事から成っている。したがってその開催は不定期であるが、ほぼ三年に一回は行なわれる。
田の中で行なわれる芸能は、他の囃子田と似た内容であるが、田の入口に三間四方の棚を設け、牛馬がそこを通り抜けてお祓いが受けられるようになっている。このお祓いは神仏混淆の祭典となっており、神職と僧侶が揃って牛馬の供養と安全を祈念する。
囃子田系統の中でも独自の民俗的な色彩を持った芸能として注目される。
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