木造大日如来坐像
もくぞうだいにちにょらいざぞう
概要
像内の墨書銘によって康平五年(一〇六二)に製作されたことがわかるが、惜しいことには願主および仏師名の部分は墨がうすれて判読し得ない。檜の一木造り、金剛界の大日如来像で、頭・躰部ともに太く、ゆったりとして安定感があるが、彫り口は全般に浅く、像におだやかな趣きを加えて、よく時代の特色を示している。十一世紀中ごろの地方造像の一面を示す好作例といえる。
なお、本像は有田市内の旧正善寺の仏堂に安置され、同寺の本尊であったと伝えるが、同寺が近年廃寺となったため、現在有田市有となっている。
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