石造須弥山/石造男女像/奈良県髙市郡明日香村飛鳥字石神出土
せきぞうしゅみせん/せきぞうだんじょぞう
概要
飛鳥真神原の地から明治時代に出土したものである。曲水宴に関する遺品と推定され、両者とも導管を具えたある種の噴水装置をもち、曲水の汀を飾るにふさわしいものである。須弥山(総高二四一・〇センチ)は水中に起立する山岳を刻み、不老不死の神仙思想を表わし、男女像(総高一七五・〇センチ)では、相抱の姿を表わし、この組合わせは仙境に楽しむ古代の一理想の世界を示している。類例のない遺品であり、飛鳥時代の文化をみるうえに欠くことのできないものである。