サイベ沢遺跡出土の遺物
さいべさわいせきしゅつどのいぶつ
概要
・サイベ沢遺跡は函館市桔梗町・西桔梗町に所在する縄文時代前期から中期にかけての円筒土器文化の代表的な遺跡です。昭和24年(1949)に北海道大学教授児玉作左衛門・同大助手大場利夫の指導の下、市立函館博物館により発掘調査が実施されました。発掘調査には函館市内をはじめとする中学・高校生など多くの市民が参加し、45日間にわたって実施されました。
・調査された場所は、サイベ沢と呼ばれる常盤川左岸の斜面に露出していた2か所の貝塚で、遺物の包含層は5mにも達し、7つの文化層から円筒土器が層位的に出土しました。出土した土器は第1から第4文化層の円筒土器下層式(縄文時代前期)と、第5から第7文化層の円筒上層式(縄文時代中期)に区分され、各文化層から出土した土器にはサイベ沢I式からサイベ沢Ⅶ式までの7つの土器型式が設定されました。
・出土した円筒土器や各種の石器類・骨角器類などは、北海道南部と東北地方北部との関連性をうかがわせるものが多く、その一部(土器20点、土偶2点、人面土器片1点、土版1点・石冠2点、骨器3点;計29点)が昭和45年に道有形文化財に指定されています。
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北海道(地方指定文化財)