消息
しょうそく
概要
後水尾天皇(1596〜1680)は後陽成天皇の第三皇子で、名は政仁、慶長十6年(1611)践祚し、寛永6年(1629)明正天皇に譲位した。これは「霜廿六日」付で「摂政」に宛てたもので、当時の摂政は天皇の弟一条昭良(もと兼遐、のち恵観)である。
文面は「此世香炉」に関するもので、「此よ香炉」を遠州にみせたので宗和にもみせるようはからってほしいということと、「明日の義」が相違ないか念をおし、行われるならば遅くならないよう依頼している。また「御神楽之義」が10日前では都合悪く、11日または12日にしてほしい旨記している。一条昭良の摂政在任は寛永6年8月12日から同11年9月26日で、消息はこの間のものである。「此世香炉」は本館蔵で、名物井戸の香炉として名高く、別々に伝えられたこの消息は、今日香炉に合わせて伝存されている。
所蔵館のウェブサイトで見る
公益財団法人 根津美術館