西都原古墳群
さいとばるこふんぐん
概要
妻町ノ西北ニ位シ東西約十五町南北約一里ノ台地ニアリ大小約三百基ノ古墳ソノ周邊ニ点在シテ隨處ニ群ヲナシ前方後円墳、圓墳、方墳等各種ノ形式ヲ備ヘ前方後円墳ノ大ナルモノハ長サ約五十間圓墳ノ大ナルモノハ徑約三十間ヲ算ス環■ヲ有スルモノ亦少カラス ソノ内約五十基ハ大正元年十二月ヨリ同六年一月ニ至ルマテ宮崎縣ニ於テ東西大學及其他ノ學者ヲ聘シ發掘調査ヲナシ後復旧工事ヲ行ヒ其結果ヲ■ニセリ 西北ナル男狹穗塚女狹穗塚ハ共ニ前方後円墳ニシテ既ニ陵墓参考地トシテ保存セラル ソノ東南ニ鬼岩屋アリ圓墳ニシテ環毀ノ阯並ニ高キ外堤ヲ存シ封土内ニ南面セル石槨ヲ露出セリ
妻町の西北に位し西都原とせられる台地上にあり、大小約三百有基の古墳が点在して隨所に群をなしている。古墳は円墳・前方後円圓墳・方墳等よりなり。前方後円墳には第十三号墳・第三十五号墳・第七十二号墳・第八十三号墳・第九十号墳・第九十一号墳・第百九十号墳及び第百七十四号墳等が特に顕著で殊に第九十一号墳は全長約90米を有する壯大な墳丘をなし柄鏡式の形式が見られる。又鬼窟古墳と稱せられるものは円墳で環湟の跡並に高い外堤を存し封土内に南面して横穴式石室を露出し特色を示している。古墳群の中約50基は大正元年12月より同6年1月に至るまで学學術的に調査せられその後復旧された。是等の古墳群は今日なおよく保存せられわが国における古墳群としてきわめて顕著であり学術上の価値が特に深い。なお古墳群中に男狹穂塚・女狹穂塚と称せられる宏壯な古墳があり陵墓参考地として保存されている。
S43-12-017[[西都原]さいとばる]古墳群.txt: 前方後円墳や円墳など約300基の古墳からなる西都原古墳群は、従来282基の墳丘の顕著な古墳が指定されていたが、最近の各種開発に対処するために、古墳群全域を追加指定することになったものである。