本郷埴輪窯跡
ほんごうはにわかまあと
概要
丘陵の東南面傾斜地に營まれたるものにして二箇所ありて孰れも登窯の形式を示せり一は前部と後部との二分に分たれ前部は喇叭口状に擴がれり、後部は約30度の傾斜をなし長さ約13尺5寸幅約4尺を有し略々圓筒状をなせる如く側壁及底床は堅緻なる粘土を以て構成せられたり、前部は長さ約18尺幅約6尺を有し約10度の傾斜をなし後部に近き区域は焚口部をなせるものと認められ埴輪馬を初め各種の形象埴輪破片等散乱せり、一は其の北方約13尺の位置に位し略々同様なる形式を示し後部の長さ約16尺幅約5尺あり前部の区域より埴輪圓筒破片、埴輪馬破片、埴輪武器破片等出土せり。
我国に於ける上代埴輪窯の構造を示すものとして価値あるものとす。