治郎兵衛のイチイ
じろべえのいちい
概要
イチイは、イチイ科に属する雌雄異株の常緑喬木で、東アジア北部に広く分布する。我が国でも北海道から九州にかけて分布し、山地帯上部から亜高山帯にわたって、多くは単木的に生じ、北海道などで時に群落をなすことがある。
治郎兵衛のイチイは、幾本もの幹から枝を叢生させ、枝張りは13メートルに及んでいる。その胸高での幹周は795センチメートルあり、樹高は15メートルある巨樹である。本樹は集落裏手の小起伏山地に移行する緩傾斜地にある単木で、樹勢はなお盛んである。イチイの巨樹として、昭和58年2月に岐阜県の天然記念物に指定されているが、平成元年の調査により我が国最大の幹周を有する巨樹であることが判明した。その学術的価値の高いことから、国の天然記念物に指定し、その保存を図ろうとするものである。