宇部市渡辺翁記念会館
うべしわたなべおうきねんかん
概要
宇部市渡辺翁記念会館は,宇部の発展に貢献した渡辺祐策素行翁を顕彰するため,昭和12年に建てられた。設計は村野藤吾である。
鉄筋コンクリート造(会堂部は鉄骨鉄筋コンクリート造),一部地下室付の地上三階建である。会館前面には広大なテラスを設け,記念碑と記念柱を立てる。
平面は,ホール部・会堂部・舞台部から成る,いわゆる「飛行機型」である。外観正面は曲率を変えた三つの壁面によりダイナミックに構成されている。
宇部市渡辺翁記念会館は,建築家村野藤吾の戦前における集大成作品といえ,高い価値がある。
表現派の系譜をひくモダニズム建築の代表作であるとともに,日本近代建築のひとつの到達点を示す作品として重要である。