壺
こ
概要
西周期の壺(こ)は、実際は商代後期の卣(ゆう)から発達したものであるが、提梁(ていりょう)を取り付ける両耳の部分などが時代とともにさまざまに変化してゆく。この壺は、西周後期から春秋期初頭のかなり大型のもので、頸部が細く腹部が膨らんでいて全面に波のような曲線文がうねっている。この文様は商代以来の尖葉文が丸みを帯びて変化したものと考えられるが、本来の尖葉文内部の獣面表現も退化してしまっている。
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.52, no.198.