霧島神宮 本殿・幣殿・拝殿
きりしまじんぐう ほんでん・へいでん・はいでん
概要
霧島山の中腹に鎮座する。天照大神(あまてらすおおみかみ)の神勅を受けて高千穂峰(たかちほのみね)に天降ったとする瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を主祭神とし、現在の社殿は正徳5年(1715)に島津吉貴(しまづよしたか)によって復興されたものである。境内は、勅使(ちょくし)殿(でん)から登廊下を介し、拝殿、幣殿を経て、最も高い位置に本殿を構える。とくに拝殿から本殿へは、急勾配の階段で段差をつけて高低差を表現する躍動感あふれた構成をもつ。規模の大きな本殿をはじめ、いずれの建物も質がよく、要所を丸彫(まるぼり)彫刻や絵画で装飾し、極彩色、漆塗、朱塗で仕上げる豪華な仕様であり、近世に発達した建築装飾意匠の集大成の一つである。東アジア圏に分布し、我が国では南九州に伝わる龍柱の代表的な事例であり、文化史的な意義も深い。