武雄温泉新館及び楼門 新館
たけおおんせんしんかんおよびろうもん しんかん
概要
武雄温泉新館及び楼門は,近代に入り,観光温泉町として発展した武雄の拠点として計画された。ともに辰野・葛西事務所の設計,清水満之助の施工で,新館は大正3年8月6日,楼門は同年11月20日に上棟,大正4年4月12日に落成式が挙行された。
新館は,正面中央に玄関車寄を備えた木造二階建の主体部を中心に,両翼を張り出し,背面に浴室,便所を別棟で附属する。
楼門は,入母屋造本瓦葺の木造二重門で,竜宮門形式である。
武雄温泉新館及び楼門は,伝統的な和風意匠を基調としつつ,細部意匠や架構等に新しい試みがみられ,高い価値がある。当時の建築界をリードしていた建築家の辰野金吾が関与した数少ない和風建築としても貴重である。
全体の配置計画などにも特徴があり,わが国の近代保養施設の歴史を知る上でも重要である。