旧西村家住宅 主屋
にしむらけじゅうたく しゅおく
概要
旧西村家住宅は、熊野川の河口付近に位置し、社会思想家で建築家でもあった西村伊作が、自邸として設計したものである。
1階に、この住宅の中心となる居間と食堂を、南庭側に向かって配置し、家族全員で過ごす一体的な空間をつくっている。2階に南面バルコニーに面して洋間の寝室を並べ、そのほか子供用の寝室、風呂や便所などを配している。外観は、洋風にまとめる一方で、軒下には、紀伊熊野地方の民家でみられる伝統的な意匠も用いている。
旧西村家住宅は、新たに興った住宅改良の動きの中で、家族本位の思潮に基づいて計画された郊外型住宅の初期の遺構として高い歴史的価値を有する。