日本聖公会高田基督教会堂はJR高田駅南方の商店街の中に所在する明治22年建設の教会堂である。奈良県におけるキリスト教諸派の伝道活動は明治10年代に活発となり、聖公会は大阪の川口居留地を拠点として郡山、五條、田原本、奈良に宣教活動を広げた。高田においては明治19年(1886)に演説会開催、20年に教会が設立された。教勢の高揚を受け、翌年には会堂用地を取得、同年10月に起工し、明治22年2月に捧堂式が挙行されたのが現在の会堂である。
建設当初の礼拝室は桁行梁間とも24尺の正方形平面であったが、大正11年(1922)から拡張工事を行い、西側に桁行21尺を広げた。改修設計者は大阪聖三一教会員の光安梶之助であり、翌12年4月に完成し聖別式が開かれている。
その後、昭和39年に会堂南側の増築、51年から52年にかけて玄関と聖具室等の改修を行った。また59年から61年にかけて南、北、西側窓を改装し、昭和62年(1987)の創立100周年記念事業で床の修理を行った。平成9年(1997)には牧師館を改築し、あわせて会堂南側の廊下や聖具室を改修した。