世界遺産と無形文化遺産
平泉-仏国土(浄土)を表す建築庭園及び考古学的遺跡群-(拡張)
構成する文化遺産
主情報
- 記載物件名
- 平泉-仏国土(浄土)を表す建築庭園及び考古学的遺跡群-(拡張)
- 構成資産
- 中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山、柳之御所遺跡、達谷窟、白鳥舘遺跡、長者ヶ原廃寺跡、骨寺村荘園遺跡
- 所在地(市町村)
- 岩手県平泉町、奥州市、一関市
- 暫定記載年
- 平成24年(2012年)
- 都道府県所管課
- 岩手県文化スポーツ部文化振興課
- 自治体等HP
- https://www.sekaiisan.pref.iwate.jp/(世界遺産平泉保存活用推進実行委員会HP)
解説
詳細解説
平泉は、12世紀の約100年の間に、日本の中央政権の支配領域と本州北部、さらにはその北方の地域との活発な交易活動を基盤としつつ、本州北部の境界領域において成立した政治・行政上の拠点です。それは、武士に起源を持つ奥州藤原氏が、4代にわたって蓄積した莫大な財力を背景としつつ、武力ばかりに頼ることなく、仏教に基づく理想世界である「浄土世界」の実現を目指して造営し、宗教を基軸とする独特の支配の拠点として成立しました。
政治・行政上の拠点としての平泉は、約190ヘクタールの中心区域及びそれを取り巻く約370ヘクタールの周辺区域に区分することができ、それぞれ複数の構成資産から成ります。中心区域には、既に世界遺産一覧表に記載された仏国土(浄土)を具象的に表す仏堂・庭園及びそれらの考古学的遺跡群が含まれるほか、政治・行政権力の中枢である御所(居館)の考古学的遺跡も含まれます。また、周辺区域には、「浄土世界」の理念の基層を成した在来の仏教思想に基づく寺院跡のほか、「浄土世界」としての平泉の財力の基盤を成した荘園及び財力によって営まれた工房などの考古学的遺跡群が含まれます。さらに中心区域のみならず周辺区域の要所には、計画的に配置された宗教施設の遺跡が存在し、全体として「浄土世界」を表す独特の配置・構造を示しています。
これらの一群の構成資産は今日に至るまで良好に保存され、平泉が「浄土世界」を体現する政治・行政上の拠点として、比類のない事例であることを示しています。