高麗金板経
こうらいきんばんきょう
概要
本資料は金製の経典で、観世音経の経文を浮き上がらせた11枚の薄い方形の金板を蝶番で屏風形に連結させたものである。経文は金板の裏に経文を彫刻した木版(もしくは金属板)を押し当てて丹念に打ち出している。朝鮮半島では、統一新羅時代から高麗時代にかけて末法思想の影響で、経典を末法に正しく伝えるために石塔の下部に経典や仏舎利・仏具などを埋納する風習が流行しており、本資料も資料の状況から埋納されていたものと推定される。経文の文末の年号を欠くために、正確な年代は不明であるが、金板の法量や蝶番の連結技法などから高麗時代の製作と考えられる。
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佐賀県立名護屋城博物館