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花柳章太郎

絵付:花柳章太郎

高2.0/径18.9(㎝)

千代田区隼町4-1 国立劇場

登録番号:74041-17

独立行政法人日本芸術文化振興会

白地の皿に梅の花が描かれる。箱書に「梅皿」「伏見/東山陶工場にて/花柳章太郎/自作/拙画/昭和十五 年/三月吉日」とあり、昭和15年(1940)に京都・伏見で制作されたもの。
章太郎が名実ともに新派の花形として活躍していた時期で、この年の8・9月には新興キネマの映画「晴小袖」(川口松太郎原作、依田義賢脚色、牛原虚彦監督)の京都撮影所での撮影に参加している。京都滞在中に作った皿と思われるが、陶器への絵付けにまだ慣れていないのか、梅の絵にぎこちなさが残る。
新興キネマは松竹系の映画会社で、章太郎とも親交のある映画プロデューサーの永田雅一、監督の溝口健二が所属しており、昭和17年(1942)に他会社と合併して大映となる。この頃、章太郎らは映画出演のために頻繁に京都に滞在しており、昭和18年(1943)からは章太郎ら新生新派の面々と溝口健二、溝口の映画の衣裳考証を行っていた画家の甲斐庄楠音、吉井勇らを中心に京都の粋人たちが集まり、「さんぞく会」という無礼講の会が行われるようになった。
「さんぞく会」には福田平八郎、金島桂華、山口華楊などの著名な画家のほか、表千家家元や陶匠の十六代目永楽善五郎、高島屋社長の飯田直次郎が参加しており、高島屋で「さんぞく会展」を行ったりもしたという。この会は章太郎の晩年まで続いており、昭和33年(1958)に彼が外遊する際も「さんぞく会」で作品展を開催し、売上を餞別として贈った。
花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成10年(1998)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。

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キーワード

章太郎 / 花柳 / 劇場 / 絵付

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